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2026年版決済ゲートウェイ入門、オンライン事業者が押さえるべき選定基準

February 6, 2026

Eコマースは、世界中の企業にとって必要不可欠な販売チャネルへと進化し、グローバル経済の一翼を担う存在になりました。Juniper Researchによると、Eコマースの取引総額は2030年までに世界で13兆ドルを超える見込みで、2025年の8.3兆ドルから57%増加すると予測されています。

この成長の背景には、消費者行動の変化があります。McKinsey & Companyの調査では、過去1週間に食料品をオンラインで購入したと回答した消費者が約40%にのぼり、また3人に1人がAmazonやTaobaoのようなプラットフォームを主な買い物先としていることが分かりました。

需要が高まるなか、企業にはオンライン決済を安全かつ簡単に受け付ける方法が必要です。そこで重要になるのが、オンライン取引をスムーズで安全に処理できるよう支える決済ゲートウェイの存在です。

では、決済ゲートウェイとはどのような存在で、なぜ必要なのでしょうか。この記事では、決済ゲートウェイの基本と、2026年に向けてビジネスの成長・拡大を加速させる方法を解説します。

この記事の内容
  • 決済ゲートウェイとは?
  • 決済ゲートウェイの仕組み
  • 決済ゲートウェイの種類
  • 適切な決済ゲートウェイの選び方

決済ゲートウェイとは?

決済ゲートウェイは、オンライン決済を安全かつ効率的に処理するための技術です。顧客・加盟店(事業者)・決済事業者の間をつなぐ橋渡しとして機能し、暗号化、トークン化、不正検知などの仕組みによって、機密性の高い顧客データを保護しながら取引を安全に処理します。

決済ゲートウェイを利用することで、加盟店は決済事業者ごとに個別接続したり、複雑な決済オペレーションを自社で管理したりする必要はありません。ひとつの決済ゲートウェイとの連携で、複数種類のオンライン決済をまとめて扱えるうえ、管理画面で一元管理できるようになるため、決済処理が効率化され、処理速度と安定性も向上します。

また、決済ゲートウェイはセキュリティと効率性だけでなく、決済時の手間を減らし、支払い完了までのプロセスを円滑にすることで、顧客体験を改善し、コンバージョン率向上にも貢献します。

決済ゲートウェイの仕組み

決済ゲートウェイは、顧客、加盟店、金融機関の間に入る「仲介役」です。決済プロセスの最初の段階から関わります。

1.支払い時に決済情報を取得し、安全に保護する

顧客が支払い方法を選び、決済画面に決済情報を入力すると、決済ゲートウェイがデータを安全に暗号化し、承認のために決済処理事業者へ送信します。

2. 承認のための決済リクエストを送信する

決済処理事業者は支払い方法に応じて、関連する事業者に取引情報を送ります。クレジットカード決済の場合は、カードネットワークを通じてカード発行会社にリクエストが届き、発行会社が承認または否認を判断します。

3. 支払いを確定し、顧客に請求する

承認されると、決済ゲートウェイが顧客に課金し、入金サイクルに従って加盟店の口座へ決済額が振り込まれます。

承認されない場合は決済が否認され、顧客は再試行するか、別の支払い方法を選ぶよう促されます。

4. 管理画面上の支払いステータスを更新する

取引状況はリアルタイムで更新され、管理画面に表示されます。加盟店は、振込の確認や突合を手作業で行う必要がありません。決済状況は自動的に追跡され、1つの場所に整理されます。

決済ゲートウェイの種類

決済ゲートウェイには、決済フローのホスティング形態や決済システムとの連携範囲に応じて、いくつかの種類があります。

  • 銀行連携 : この方式では、顧客は銀行のウェブサイトやアプリにリダイレクトされ、そこで決済を完了します。ふだん利用している銀行の仕組みを使うため、信頼感につながる場合があります。一方で、顧客体験は銀行側の技術に大きく依存し、機能が限定的だったり品質にばらつきが出たりすることがあります。

  • ホステッド型決済ゲートウェイ : ホステッド型では、顧客は支払い中が決済ゲートウェイ提供者のページへリダイレクトされ、決済完了後に加盟店のサイトに戻ります。

    安全で導入が簡単なため、早く始めたい企業に向いています。ただし、顧客体験を細かくコントロールしにくく、サイト内で完結するシームレスな決済フローを求める場合には最適でないことがあります。
  • APIベース(統合型)決済ゲートウェイ : APIベースの決済ゲートウェイでは、既存のプロダクトやプラットフォームに組み込める、自社用にカスタマイズされた決済フローを構築できます。顧客体験を細かく設計できるのが特長です。同時に、決済ゲートウェイ側が機密データの取り扱いやコンプライアンス対応を担うため、技術面・規制面の負担を減らしつつ、企業は決済処理ではなく事業拡大に注力できます。

適切な決済ゲートウェイの選び方

決済ゲートウェイは、不正利用やチャージバックの削減から、運用の効率化、顧客満足度の向上まで、多くの面で加盟店にメリットをもたらします。上で挙げた種類だけでも、事業規模や取引量に応じて候補を絞り込めるでしょう。では、ほかに何を考慮すべきでしょうか。

ビジネスモデル

どれほど高度な決済ゲートウェイでも、ビジネスモデルに合っていなければ本来の効果は得られません。適切なものを選ぶために、まずは次のシンプルな問いから始めましょう。

販売している商品と、顧客の好む支払い方法は?

  • サブスク型ビジネスの場合、定期課金に対応した決済ゲートウェイを選ぶと、売上を自動かつ期限どおりに回収できます。多くのゲートウェイはネットワークトークン化のような技術も提供しており、顧客のカード情報を安全に保存し、カードの有効期限切れや更新時にカード情報を自動更新します。こうした技術を活用することで、企業は売上を継続的に確保し、顧客はサービスを途切れなく利用できます。
  • 単発購入が中心のビジネスの場合、ワンクリック決済のようなソリューションを利用することで、支払い手順を最小化し、迷いや離脱を減らして、初回購入者でもさっと支払いが完了できるようになります。さらに同様の仕組みで支払い情報を安全に保存できるため、再訪した顧客は2回目以降の購入もワンクリックで決済できます。
  • SNSやオフラインが中心で、ウェブサイトがない場合、Payment Links+のような仕組みを使えば、ビジネスに合った決済リンクを生成できます。安全に支払いを受け付けられ、複数の支払い方法から顧客は好みのものを選べます。

これらの選択肢に自社のビジネスモデルがフィットしない場合、Omiseを含む多くの決済ゲートウェイ提供者は、要件に合わせた最適な設計を支援する専門サポートを用意しています。

顧客体験

消費者は日常的に、スピーディーで直感的に操作できるデジタルツールに慣れています。決済も例外ではありません。そのため、決済ゲートウェイはスムーズで信頼できる決済体験を支える必要があります。

  • シームレスな決済を実現する技術

Baymard Instituteによると、約5人に1人の顧客が「決済が長すぎる、あるいは複雑すぎる」ことを理由にカートを離脱したことがあると回答しています。競争力を保つには、顧客の負担を減らし、支払い完了までの手間を極力少なくする決済技術が重要です。

例としては、パスキーが挙げられます。Face IDや指紋認証など、日常で使い慣れた生体認証で本人確認ができるため、入力の手間を減らせます。

  • 幅広く柔軟な決済手段への対応

顧客の77%は、希望する支払い方法が使えないとサイトを離脱すると言われています。現代の消費者ニーズに応えるには、クレジットカードやデビットカードだけでは不十分です。リアルタイム決済、BNPL(Buy Now, Pay Later)、各国で一般的なローカルな決済方法など、幅広い選択肢が求められています。

セキュリティと信頼性

決済ゲートウェイの安全性・信頼性を評価する際に確認したい基本的な事項を紹介します。

  • PCI DSS準拠 : PCI DSSは「Payment Card Industry Data Security Standard」の略です。Visa、Mastercard、JCB、Discover、American Expressなどの国際カードブランドが策定・運用しており、決済ライフサイクル全体で決済データを保護するための基準です。
  • 稼働率の高さ : アップタイムが高いほど、システム停止(ダウンタイム)が少なくなります。通常運用時はもちろん、キャンペーンなどで取引量が急増する局面でも特に重要です。99.99%(フォーナイン)は目標としたいベンチマークの1つです。
  • リアルタイム監視とインシデント対応 : どれだけ堅牢なシステムでも、予期せぬ問題は起こり得ます。リアルタイム監視に加え、迅速に対応できる(可能ならローカル拠点の)サポート体制がある提供者を選ぶことで、問題の検知と解決を早められます。

簡単な導入とわかりやすい価格設定

日々、決済処理を担うスタッフにとって決済ゲートウェイは「難しいもの」であってはなりません。ドキュメントは開発者にとって分かりやすく書かれており、多数のエンジニアを抱えなくても導入・保守できることが重要です。

また、APIから、ShopifyやWixなどのECプラットフォーム向けプラグインまで、環境に合わせた柔軟な導入オプションがあると理想的です。

同様に、価格の明確さも重要です。信頼できる決済ゲートウェイに、隠れたコストはあるべきではありません。Omiseでは、初期費用や月額費用のない、シンプルで明瞭な価格モデルを提供しています。加盟店は決済取引ごとに手数料を支払い、決済手数料や振込手数料の詳細も事前に明確に提示されるため、判断がしやすくなります。

将来を見据えたテクノロジー

AIの登場により、テクノロジーは急速に進化しています。決済ゲートウェイも、こうした新しい技術に追随するべきです。

AIエージェントが実在の人に代わって閲覧し、意思決定し、支払いまで行う「エージェント型コマース」が実現しつつあります。MCPやA2Aプロトコルといった最新標準は、AIツールが決済インフラと連携するうえで重要な役割を果たします。こうした基盤を利用することで、決済システムは新しいコマースモデルの登場にも適応しやすくなります。

決済ゲートウェイは将来を見据えて、業務の効率化と意思決定の高度化を支えるAIツール群も提供します。例えば、スマートダッシュボード、AIアシスタント、インテリジェントルーティング(取引を最適な経路へ自動で振り分け、承認率向上や失敗決済の削減に寄与する)を備えたペイメントオーケストレーションなどです。

セキュリティ面では、AIによる不正検知が新たなパターンやシグナルから継続的に学習します。人間による監視と組み合わせることで、新たな脅威に対応しつつ、運用の信頼性と顧客からの信用を維持できます。

2026年に向けた「最適な決済ゲートウェイ」選び

決済ゲートウェイは、単に決済を受け付けるためだけのものではありません。ビジネスが「今日」そして「明日」どのように運営されるべきかを支える基盤づくりです。早い段階で適切な観点から評価しておくことで、後々の高コストな変更を避け、自信を持って前進できます。

Omiseの決済ゲートウェイについて詳しくはこちらをご覧ください。

参照先

The secret to a seamless payment experience. (n.d.). Visa. https://corporate.visa.com/en/sites/visa-perspectives/innovation/optimizing-payment-experience.html

Pymnts. (2024, September 20). 77% of shoppers say ‘No sale, bye’ if preferred payment option missing. PYMNTS.com. https://www.pymnts.com/news/payments-innovation/2024/77-percent-of-shoppers-say-no-sale-bye-if-preferred-payment-option-missing/#:~:text=As%20the%20demand%20for%20diverse,platforms%20and%20ensure%20customer%20satisfaction.

Juniper Research. (2025, September). ECommerce market to surpass $13 trillion by 2030 globally, with Stripe, Visa, and PayPal leading the charge. Juniper Research Ltd. https://www.juniperresearch.com/press/ecommerce-market-to-surpass-13tn-by-2030-globally/

McKinsey & Company. (2025, June 9). State of the Consumer 2025: When disruption becomes permanent. Retrieved January 27, 2026, from https://www.mckinsey.com/industries/consumer-packaged-goods/our-insights/state-of-consumer